明石書店 定価 1600円(税別)
埼玉県川口市の芝園団地
本紙でも取り上げましたが、人口五千人の半分以上(50.4%)が外国人で、残りが70代以上の高齢者日本人という団地に著者(大島隆さん)が1LDK家賃7.7万円で3年住んで感じた体験記です。
日本は少子高齢化で人口減少社会です。ここで起こっていることは、日本全体、いえ世界全体でも考えるべき課題、「多様性の中での共存」の在り方を問いかける内容です。
「郷に入っては郷に従え」が通用せず、自分たちの団地の中で少数派になるモヤモヤ感を抱きながら高齢者の人々が外国人との共性に努力する姿が描かれています。異文化を排除するのではなくお互いに取り入れながら新たな文化が築かれていくのだと思いました。
どこの団地やマンションでもありえる問題で,どこか遠くの特殊事例ではありません。団地に住んでいる人の話,自治会や理事会の話を含め、団地住民以外の方も手に取ってみる価値のある本だと思います。
日本で生まれた子供たちは日本国籍を持ち、日本人として育っていきます。ルーツがどこにあろうと、宗教、文化が違おうとも共に幸せな未来を作っていける世の中になることを願います。
アメニティ編集室
M.N